介護現場の「チームリーダー」に求められる能力・資質とは?
介護現場の人材不足・人材育成は多くの人が悩まれている問題です。
介護リーダーを育成することは急務とされていますが、実際にそのリーダーとして期待されているスタッフたちはどのような意識を持っているのでしょうか。
介護現場におけるリーダー職への昇進について「KAIGO LEADERS LAB.(株式会社Blanket)」の調査(2022年、全国の介護・福祉現場で働く20代以上219名調査)をご紹介します。
一般職・スタッフの約4割「リーダーに就きたくない」リーダーの約8割「就いてよかった」
現在の役職が「一般職・スタッフ」のうち、今後チームリーダー等の役職に「就きたい」と回答した人は32%、「就きたくない」と回答した人は38%に上りました。その理由として「現場の業務をこなすのに精一杯」「業務量や精神的ストレスの割に報酬が少ない」「責任と仕事が増え、割に合わない」などの声が挙がっています。
一方で、現在の役職が「チームリーダー」の人ではリーダー職に「就いてよかった」と感じる人が83%と多数を占めており、「色んな方面から考えることができ、視野が広がった」「業務の幅が広がり、知識が身についた」「最新の情報を知ることができる」「時間の自由が増えた」「新たな目標が見つかった」など前向きな回答が多く挙がり、リーダーと一般職の間には、そのイメージにギャップがあることがわかりました。
今後、チームリーダー等の役職に就きたいと思うかどうか、働き始めてからの年数ごとにクロス集計を行っています。勤務年数5年未満において昇進意欲が高いこともわかりました。
リーダーに求められる資質「指導力」「傾聴力」「チーム構築力」
ではチームリーダーになるにはどのような資質が必要なのでしょうか。
「一般職・スタッフ」が「持つべきだ」と感じる能力・資質は「指導力」「傾聴力・コミュニケーション力」「チーム構築力」の順でした。
一方、チームリーダー自身が重視していたのは「チーム構築力」「傾聴力・コミュニケーション力」「ビジョンや目標」と、「一般職・スタッフ」が重視している「指導力」は低いことがわかりました。
現在の役職が「一般職・スタッフ」の人に対し、仕事における悩みについて質問したところ、1位は「スキル・技術を伸ばす機会(研修や指導など)が不足している」、2位は「人手が不足している」「仕事内容に対して給与水準が低い」との結果が明らかになりました。
一方で、現在の役職が「チームリーダー」の人に対し、仕事における悩みについて尋ねたところ、1位は「部下・スタッフとの人間関係・コミュニケーション」、2位は「人手が不足している」との結果になりました。
KAIGO LEADERS発起人の秋本可愛氏は「介護現場におけるリーダーが大変そうなイメージばかりが先行してしまっている状況に対し、リーダーになると何が良いのかをリーダー層が実感を持って新人に伝えていく機会が必要だと感じます。職場内でのキャリア研修や対話の機会を増やしたり、職場の垣根を超えて手本となる先輩と繋がることのできる機会が必要ではないかと考えます。
また、今回の調査結果では『勤続年数5年未満の昇進意欲が相対的に高い』という結果が出たことは興味深く感じています。若手を早期に育成し、意欲の高い人を積極的に登用していく仕組みが必要であると考えます。さらに、『リーダーに求める力』と一言で言っても、階層ごとに悩んでいることや求めていることが異なるという結果も明らかになっています。調査を踏まえて、それぞれの階層ごとに必要なスキルを体系的に学べる研修などが必要だと感じます」と述べています。
業務量の多さや人間関係の悩み等、リーダー職に就いている人の悩みもこの調査では明らかになっており、こうした課題を解決しながら意欲の高い人を積極的に育成していく仕組みが今後も必要になってくるでしょう。
出典:株式会社Blanket プレスリリース
【調査リリース】介護リーダーへの昇進に関する意識調査 リーダー職に「就いて良かった」83%
【調査リリース】介護職の仕事の悩みとリーダーに求める力についての意識調査 スタッフがチームリーダーに求める力の1位は「指導力」
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