教育・研修制度 途中で断念する「落とし穴」とは?
今年初めに、国会答弁の中で岸田首相が「育休中にリスキリングできるよう支援する」と発言したことで話題となっている「リスキリング」。リスキリングとは、現状とは異なる新しい職種や職業に就くため、あるいは今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために必要なスキルや知識を習得することを指します。法人向けDX人材育成サービスを提供するWHITE株式会社がリスキリング経験者195名に対してリスキリングの実態調査を実施し、その調査結果を発表しています。
5人に1人が「最後まで受講できずに途中で断念」
過去にリスキリングを経験したことがある人に対し、始めた目的を尋ねたところ、「不足している知識やスキルの補足」(42.1%)、「新たな知識やスキルへの興味」(37.9%)と能動的な理由が上位に挙がったものの、「会社(上司・人事)の要請」(14.9%)、「会社での費用補助」(16.4%)など自発的ではないきっかけを要因として始めた人が1割近く存在していることが明らかとなりました。
また、リスキリング当時の実施状況については「設定した目標をクリアした/最後まで受講した」人が81.5%と多かったものの、途中で断念した人も18.5%と5人に1人ほどおり、その理由として「時間がなくなった」(52.8%)「義務感を感じた」(13.9%)「はじめたきっかけが自発的ではなかった」(13.9%)といった“やらされ”からの断念に至った人も存在していました。
「給与/キャリアアップに繋がる」「仕事での活用機会がある」プログラム選びが重要
この調査では、リスキリングを経験後、不満を感じたことにも尋ねています。
「給与/キャリアアップに繋がらない」(それぞれ29.0%/24.6%)が上位に挙げられた一方で、「仕事での活用機会がない」(22.8%)、「人事制度に反映されない」(19.6%)、「学んだスキルを活用する体制・風土に会社が変わらない」(14.5%)といった受け皿としての職場環境に問題がある“報われないリスキリング”も一定数存在することが明らかになっています。実際に「資格取得をしたが、あまり関係のない部署への異動があった」(神奈川県女性/50代)、「事務から介護支援員へと変えられ、介護事務の資格を活かす場がなくなった」(大分県女性/20代)といった声が挙がっています。
リスキリングに利用したものは、「インターネット検索」(39.1%)や「オンライン学習サービス」(30.4%)のオンラインサービスが、「リアルセミナー」(21.7%)、「学校」(18.1%)などのオフラインでの対面サービスを上回る結果となっています。リーズナブルでアクセスしやすいことも含め、コロナ禍以降、オンライン学習でスキルアップを行うという選択肢が市民権を得始めていることが想定されます。
調査結果について、WHITE株式会社代表取締役の横山氏は「人生100年時代に生きる私達にとってリスキリングは不可欠だと感じています。リスキリングは、企業側の戦略的ニーズに基づく新たなスキルの獲得を目指すものです。そのためには社員に対して今後必要となるスキルを提示し、社員が自身の現在のスキルと比較した上で、不足しているスキルを認識してもらい、リスキリングに取り組む流れを構築することが求められます」と述べています。
WHITE株式会社 プレスリリース
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