介護支援専門員の法定研修の実施要綱ならびにガイドラインを見直し 来年度から実施へ
厚生労働省は「介護保険最新情報」Vol.1143、Vol.1144で介護支援専門員の法定研修の実施要綱ならびにガイドラインの見直しを通知しました。今回の見直しの方向性として、厚労省は以下の3点を挙げています。
(1)幅広い視点で生活全般を捉え、生活の将来予測や各職種の視点や知見に基づいた根拠のある支援の組み立てを行うことが介護支援専門員に求められていることを踏まえ、そのような社会的な要請に対応できる知識・技術を修得できるように科目の構成・内容を見直す
(2)介護保険外の領域も含めて、制度・政策、社会資源等についての近年の動向(地域共生社会、認知症施策大綱、ヤングケアラー、仕事の介護の両立、科学的介護、身寄りがない人への対応、意思決定支援等)を定期的に確認し、日々のケアマネジメントの実践のあり方を見直すための内容の充実・更新を行う
(3)法定研修修了後の継続研修(法定外研修、OJT 等)で実践力を養成することを前提に、カリキュラムの内容を幅広い知識の獲得に重きを置いた時間配分(=講義中心)に見直す
具体的なカリキュラムの変更点は
(1)の「社会的な要請に対応できる知識・技術を修得できるような科目の構成・内容の見直し」については、
・根拠のある支援の組み立ての基盤となる視点(適切なケアマネジメント手法や科学的介護(LIFE)等)を学ぶ内容を各科目類型に追加する
・高齢者の生活課題の要因等を踏まえた支援の実施に必要な知識や実践上の留意点を継続的に学ぶことができるように、適切なケアマネジメント手法の考え方を実務研修課程、専門研修課程I.専門研修課程 II.主任研修課程、主任更新研修課程に横ぐしをさして学ぶ科目類型を追加する
・認知症や終末期などで意思決定支援を必要する利用者・世帯がさらに増えるとともに、根拠のある支援の組み立てに向けて学ぶべき知識・技術の変化が今後も進むと考えられる。そのような変化の中では、職業倫理の重要性は一層高まることが見込まれる。そのため、職業倫理についての視点を強化する
としています。
(2)の「日々のケアマネジメントの実践のあり方を見直すための内容の充実・更新」については、
・制度・政策、社会資源等についての近年の動向に関する内容を反映
・専門研修課程II.主任更新研修課程にケアマネジメントの実践の振り返りを行うとともに、ケアマネジメントプロセス等に関する最新の知見を確認し、実践のあり方の見直しを行うための科目を新設
としています。
(3)の「カリキュラムの内容を幅広い知識の獲得に重きを置いた時間配分の見直し」については、
・限られた法定研修の時間数を考慮し、法定研修の内容は継続研修への接続を意識した知識の獲得に重きをおいた内容とする
・継続研修での実践力の養成の基盤となる幅広い知識の獲得が行われるように、主に実務課程について、「必要な知識を記憶しており、具体的な用語や実例等を述べることができるレベル」又は「必要な理念や考え方について理解しており、その理念や考え方について自分の言葉で具体的に説明できるレベル」を修得目標として設定する
としています。
厚労省では、来年度からの実施に向けて準備を進めるよう、関係機関に求めています。
厚生労働省老健局 介護保険最新情報Vol.1144「介護支援専門員資質向上事業ガイドライン」の発出について」
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