【介護のOJTチェックリスト】シートに入れたい介護技術一覧とチェックリストの作り方
介護現場のOJTを効率よく進め、新人教育を成功させるためには、OJTチェックリスト(チェックシート)が不可欠です。
この記事では、介護職員向けに行われるOJTのチェックリストに入れるべき介護技術の項目や、チェックリストの作り方などを詳しく解説します。
この記事を最後まで読めば、抜け漏れのないOJTチェックリストが簡単に用意できるはずです!
介護職のOJTチェックリストに入れたい介護技術一覧
実際のOJTで役立つチェックリストは、チェックしたい介護技術や接遇マナーなどの項目が網羅されている必要があります。
ここでは、介護職のOJTのチェックリストに必ず入れておきたい項目と例を合わせて紹介します。
基本の接遇マナー・ビジネスマナー
介護に限らずどんな業界でも接遇マナーやビジネスマナーは必要です。
介護サービス利用者はもちろんその家族や、外部の連携先とよい信頼関係を築くためにはマナーのある行動が不可欠です。
また職場全体が気持ちよく働けるように、同僚や上司への言葉遣いや報連相などのビジネスマナーが身についているかもチェックしましょう。
▼チェックリストに入れておきたい項目例
- サービス利用者や家族、職場の人間、外部連携先に、気持ちのいい挨拶ができている
- 丁寧な言葉遣いができている
- 清潔感のある身だしなみができている
- メールや電話応対がスムーズにできている
移動介助
移動介助は、サービス利用者個々の能力を見極めながら、適切な方法を選択して行う必要があります。
利用者が痛みや不快感を覚えない体の動かし方や、自身の体に負担をかけないボディメカニクスの知識、車いす・歩行器・杖などの移動補助具に関する知識が正しく持てているかなどがチェックポイントです。
▼チェックリストに入れたおきたい項目例
- 利用者の不快感の少ない移動介助ができる
- 安全に配慮した移動介助ができている
- 車いす、歩行器、杖などの移動補助具を適切に利用した介助ができる
- 自身の体に負担がかかりづらい介助ができている
- 移動介助時、利用者と適切にコミュニケーションを取れている
食事介助
食事介助は、誤嚥などの事故が起きないよう安全に配慮しながら、利用者にとって楽しい食事となるように手助けする必要があります。
そのため安全に食事介助ができることのほか、利用者と楽しくコミュニケーションを取れているかも重要なチェックポイントです。
▼チェックリストに入れたおきたい項目例
- 利用者にとって安全な姿勢で食事介助ができる
- 誤嚥防止に必要な知識がある
- 楽しい食事になるように利用者とコミュニケーションが取れている
排泄介助
排泄介助は便器への移動介助やオムツの装着などの技術的なことのほか、利用者の気持ちに寄り添い、尊厳を守りながら行えているかどうかも重要なチェックポイントです。
また、排泄による皮膚の健康状態の確認ができているかも、利用者のQOLに関わる項目としてリストに入れましょう。
▼チェックリストに入れたおきたい項目例
- 紙オムツを適切かつスムーズに利用できる
- 便器への移動を安全に行えている
- 利用者の尊厳に配慮した声掛け、心配りができている
- オムツや排泄物による皮膚の異常がないか確認し、適切な処置ができる
入浴介助
入浴介助は体調の変化や転倒事故に注意しながら、利用者にとって心地良い時間になるよう配慮する必要があります。
安全面に気を配れているか、利用者と適切なコミュニケーションが取れているかチェックします。
▼チェックリストに入れたおきたい項目例
- 転倒などの危険に配慮し、安全に入浴介助ができている
- 体調の変化に気を付けている
- 洗髪、洗身がスムーズにできる
- 心地良い入浴時間になるように声掛けをしている
更衣介助
更衣介助は利用者の体調や、麻痺や拘縮などの有無に合わせて臨機応変に行う必要があります。
体の動かしやすい部分はどこか、どういった体勢なら利用者の体に負担がかかりづらいか、介助技術もチェックポイントです。
▼チェックリストに入れておきたい項目例
- 更衣介助前に利用者の体調を確認できている
- 利用者の体調や麻痺、拘縮などに合わせた更衣介助を行えている
- 利用者に痛みや不快を与えずスムーズに介助ができている
介護のOJTで使えるチェックリストの作り方
次に、介護職で使えるOJTチェックリストの作り方を解説します。
チェックリストを一から作る…となると、フォーマットは?チェック項目は?など疑問がたくさん出てどこから手を付けようか迷ってしまいますよね。
ここではできるだけ簡単かつ実用的なOJTチェックリストを作る方法を紹介します。
OJTチェックリストはネットでダウンロードできる
まずOJTチェックリストを一から作る必要はありません。
インターネットでOJTチェックリストを検索すると、無料で利用できるフォーマットがたくさん公開されています。
無料公開されているチェックリストをダウンロードし、チェック項目のみ自事業所用にカスタマイズすると、効率よく簡単に用意できます。
無料公開されていて参考になるチェックリストには次のようなものがあります。
チェックリストに必要な項目を選定
チェックリストのフォーマットが決まったら、実際のOJTでチェックする項目を決めます。
参考にしたチェックリストフォーマットにある項目のほか、先に紹介した介護技術一覧を参考に項目を追加しましょう。
また、各施設独自のルールや作業があれば、そちらも忘れずに追加しましょう。
特に訪問介護事業所などでは、訪問先ごとに注意点がある場合もあります。
OJT内で教えるべき事柄が漏れていた、ということがないように、チェックリストの項目は具体的に作っておくと安心です。
介護OJTチェックリストの活用方法
介護のOJTチェックリストを使っているけれど、いまいち活用しきれていない気がする…という人はいませんか?
ここではOJTチェックリストを100%活用して新人教育を成功させる方法を解説します。
1.OJTチェックリストは全員で共有して抜け漏れを防ぐ
介護のOJTチェックリストは、指導担当職員(管理者含む)・新人職員などOJTに関わる全員で1枚(紙でもオンラインでも)を共有しましょう。
全員で同じチェックリストを利用しチェックしていくことで、評価漏れや教え忘れなどを防げます。
また新人職員もチェックリストを見ることで、自分の課題や目標が明確になり、モチベーションアップにも繋がります。
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2.新人職員に任せる業務の判断材料に
OJTチェックリストは新人職員にどの業務を任せるかの判断材料として活用できます。
新人職員が入ってきて人手不足解消になるかと思いきや、どの業務を割り振ればいいかわからず先輩社員の負担が減らない…ということも起こりがちです。
そんな時はOJTチェックリストを見て、新人社員が得意なこと・できることを確認しましょう。
新人が一人でもできること、少し教えればできることなどが明確になれば、先輩社員の業務もおろしやすくなるはずです。
3.新人職員の教育方針の決定材料に
OJTチェックリストは新人教育の方針を決めるのにも役立ちます。
たとえば、介護技術系の項目はほぼできているものの、接遇マナーでできていない項目が目立っていれば、OJT後は接遇マナーを重点的に学んでもらう方針を決められます。
対策としてビジネスマナー関連の外部研修を受けてきてもらうなどの判断も取りやすいでしょう。
チェックリストを活用すれば新人職員の課題が明確になり、その後の教育方針を定めやすくなります。
介護のOJTチェックリストに関するよくある質問
Q.介護のOJT研修ってそもそもどんなことをするの?
A.実際の介護現場で先輩職員と共に業務にあたりながら、実践的なノウハウを教えてもらう研修です。
OJTは通常、「やって見せる」→「解説する」→「新人職員にやってもらう」→「フィードバックする(評価・感想を話し合う)」という流れで行います。
介護のOJT研修について詳しく解説した記事はこちら>>
【まとめ】介護職のOJTチェックリストを活用して人材育成を成功させよう
この記事では介護職のOJTで使えるチェックリストに関して、リストに入れるべき介護技術一覧やチェックリストの作り方などを解説しました。
介護職のOJTチェックリストには、現場で必要な介護技術や接遇マナーのほか、介護施設・訪問介護事業所ごとにある個別ルールや作業についても教え漏れがないように入れておきましょう。
またチェックリストを自分で作る際には、ゼロから作るよりもインターネットで無料公開しているものを参考にするのがおすすめです。
OJTで新人育成を成功させるには、チェックリストの活用は欠かせません。
またチェックリストは一度フォーマットを作れば、次の新人研修でも使いまわしができます。
ぜひこの記事を参考に、介護現場で使えるOJTチェックリストを用意し、新人育成に役立ててみてください。
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