2023.04.14 職員研修

【介護職員のスキルアップに役立つ研修8選】キャリアアップしたい人向けの資格も紹介

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介護職員としてスキルアップできる研修を受けたい。
そう思っても、介護・福祉の業界には数多くの研修や資格があり、どれが自分に必要なのかわかりづらいですよね。この記事では、介護職員のスキルアップに役立つ研修と、キャリアアップに繋がる資格を厳選して紹介しています。最後まで読めば、あなたに役立つ研修・資格がきっと明確になるはずです!

介護職員のスキルアップに役立つ研修8選

介護職員のスキルアップに役立つ研修・講習の中でも、代表的なものをまとめました。

1.各都道府県の自治体が主催するスキルアップ研修

2.初任者研修

3.実務者研修

4.喀痰吸引等研修

5.福祉用具専門相談員指定講習

6.認知症介護基礎研修

7.認知症介護実践者研修

8.認知症介護実践リーダー研修

それぞれを詳しく解説します。

1.各都道府県の自治体が主催するスキルアップ研修

介護職員向けのスキルアップに役立つ研修は、各都道府県の主催で行われていることがあります。研修内容や日程などは各都道府県で異なります。勤めている事業所がある都道府県で研修が行われていないか、ホームページなどでチェックしましょう。ここでは例として、東京都のスキルアップ研修の概要を掲載します。

介護職員スキルアップ研修(東京都福祉保険局)の概要
内容医療的知識編:高齢者介護のために必要な医療的知識を学ぶ講義・個人ワーク実践編:職員育成に携わる中堅職員向けの、高齢者介護のための医療的知識や医療との連携方法について学び、その後の伝達研修で事業所全体のスキルアップを図る
受講するための資格医療的知識編:都内の事業所で1~3年目の介護職員実践編:都内の介護保険事業所で、以下A、B、Cの条件を全て満たした方 A:介護職員として実務に従事していること B:介護福祉士等の資格を有すること C:研修受講後に事業所内での伝達研修を行えること
受講する方法東京都社会福祉協議会の研修受付システムから申し込み
受講費用無料
受講時間医療知識編:350分実践編:290分※講義のみの時間
受講するメリット無料で受講できる高齢者介護と医療の関りについて学べる(実践編の場合)事業所全体のスキルアップが期待できる

参考:介護職員スキルアップ研修(東京都福祉保険局)

2.初任者研修【介護の基礎を学ぶ】

介護職員初任者研修とは、介護職員として働くために必要な知識や技術、倫理観など「介護の基本」が学べる研修です。研修時間は合計130時間で、内容は介護の基礎知識、介護・福祉サービスの理解、コミュニケーション技術、認知症介護、障害の理解などの座学と、生活支援技術の実技演習から構成されています。施設によっては、入浴や食事などの身体介護をする場合、介護職員初任者研修修了を求めることがあります。修了試験を合格すると修了証書が交付され、身体介護や訪問介護員としての業務ができるようになります。

介護職員初任者研修の概要
内容介護の知識・技術の基本を学ぶ
受講するための資格なし
受講する方法スクールで既定の全講座を受講、修了試験で合格する
受講費用5~8万円程度
※スクール・コースによって異なる
受講時間130時間
受講期間1ヶ月~4か月(スクールやコースによって異なる)
通信課程の有無最大40.5時間
試験内容選択式・記述式 32問以上
受講するメリットキャリアアップの最初の一歩を踏める身体介護ができる訪問介護士として働ける

3.実務者研修【専門知識を学びキャリアアップへ】

実務者研修とは、先に紹介した初任者研修の上位にあたる研修で、より専門的な介護知識とスキルを習得できます。また、実務者研修の修了は介護福祉士国家試験を受験する際の必須条件です。研修時間は合計450時間です。ただし初任者研修を修了している場合、重複する130時間の受講は免除されるため320時間になります。内容は介護の知識やコミュニケ―ション技術、老化や認知症の理解など、介護職員に必要な専門知識を学ぶほか、医療的ケアの講習などから構成されています。実務者研修を修了することで、サービス提供責任者に就くことができます。

実務者研修の概要
内容専門性の高い介護知識・技術を学ぶ
受講するための資格なし
受講する方法スクールで既定の全講座を受講
受講費用15~20万程度※無資格の場合※スクール・コースによって異なる
受講時間450時間 ※無資格の場合
受講期間6ヶ月程度 ※無資格の場合
受講するメリット介護福祉士の受験資格の1つを得られるサービス提供責任者に就ける給与アップが見込める

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4.喀痰吸引等研修【活躍の幅を増やす】

喀痰吸引等研修(かくたんきゅういんとうけんしゅう)とは、たん吸引や経管栄養といった介護現場で必要な医療ケアを行うための研修です。喀痰吸引等研修は次の3つに分かれています。

1号研修:不特定多数の介護利用者に向けたもの(たん吸引・経管栄養すべての実地研修あり)

2号研修:不特定多数の介護利用者に向けたもの(特定のものの実地研修のみ)

3号研修:特定の対象者に向けたもの

業務で求められるケア内容や、キャリアパスに合わせて選択します。

喀痰吸引等研修の概要
内容介護で必要な医療ケア(たん吸引・経管栄養)を行うための資格
受講するための資格介護施設や事業所で働いている介護職員であること
受講する方法都道府県が定めた研修実施事業所に問い合わせ
受講費用15~20万程度(1号・2号)
受講時間講習50時間に演習(項目ごとに異なる)
受講期間1号・2号:2週間ほど
3号:2日ほど
受講するメリット医療ケアを実施できる介護職員として活躍の場が広がる資格手当で給与アップが期待できる

夜間時における喀痰吸引の実施体制「吸引ができる人が常にいる」33.9%

5.福祉用具専門相談員指定講習【活躍の幅を増やす】

福祉用具専門相談員指定講習とは、福祉用具貸与・販売事業所で福祉用具専門相談員として働くための講習です。福祉用具専門相談員は、介護保険利用者一人一人にあった福祉用具を選び、利用計画を作ったり、定期的に訪問して用具の点検や調整、使用状況の確認等を行います。福祉用具貸与・販売事業所では、2名以上の配置を義務付けられています。50時間講習を受け、習熟度を測るための筆記試験に合格する必要があります。

福祉用具専門相談員指定講習の概要
内容介護保険利用者の福祉用具貸選び、利用計画の作成、用具の調整など
受講するための資格なし
受講する方法都道府県が定めた研修事業者の講習に申し込み
受講費用4万~6万円
受講時間50時間
受講期間7日間ほど
試験内容筆記による修了評価あり(難易度低め)
受講するメリット就職・転職で活用できる介護職員として活躍の場を広げられる

6.認知症介護基礎研修【認知症介護の理解を深める】

認知症介護基礎研修とは、文字通り認知症とそのケア方法の基本的な知識とスキルを学ぶ研修です。150分ほどのeラーニングを視聴すれば研修修了となります。2021年の介護報酬改定の際、認知症介護に携わる職員で無資格の者は、認知症介護基礎研修の取得が義務付けられました。(3年間の経過措置あり。完全実施は2024年から)

2024年4月より無資格者の認知症基礎研修の義務化

認知症介護基礎研修の概要
内容認知症の基本知識・認知症介護のスキルを学ぶ150分程度のeラーニング
受講するための資格なし
受講する方法勤務している事業所から申し込み
※個人で申し込む必要なし
受講費用自治体によって異なる無料~3千円程度
受講時間150分ほど
受講するメリット上位研修である「認知症介護実践者研修」を受講できる

7.認知症介護実践者研修【認知症介護の理解を深める】

認知症介護実践者研修とは、認知症介護基礎研修の上位研修です。より実践的な認知症ケアについて学べます。都道府県によっては、認知症対応型の介護事業所の管理者に認知症介護実践者研修修了者の配置が義務付けられています。受験資格は都道府県によって異なるので、取得を検討している人は勤務地のある都道府県が指定する条件を確認しましょう。合格試験はありませんが、実習レポートの提出があり、カリキュラムをきちんと受け理解する必要があります。

認知症介護実践者研修の概要
内容実践的な認知症ケアについて学ぶ
受講するための資格都道府県により異なる
受講する方法既定の全講座を受講・受講レポートの提出
受講費用都道府県により異なる相場:3万円程度
受講時間講義・演習:6~7日程度自施設での実習:14日~30日程度
受講するメリット就職・転職で活用できる給与アップが見込める

8.認知症介護実践リーダー研修【認知症介護の理解を深める】

認知症介護実践リーダー研修は、認知症介護実践者研修の上位研修です。認知症介護の知識・スキルを学ぶだけでなく、リーダーとしてチームマネジメントをするためのスキルも学ぶことができます。他の認知症関連研修と比べて受講条件が厳しく、研修も講義・他事業所での実習・自事業所での実習があり、意欲的に臨む必要がある研修です。しかし、認知症対応型のグループホームなどでは認知症介護実践リーダー研修修了者の配置が義務付けられているため、修了すれば就職・転職でも有利になります。試験はなく、全過程を受講することで修了になります。

認知症介護実践リーダー研修の概要
内容認知症介護の専門的知識・スキル認知症介護に携わるチームのマネジメント
受講するための資格認知症介護実践者研修の修了から1年以上経過認知症介護業務に5年以上従事介護施設・事業所で職員を指導する立場にある・予定されている者※その他都道府県で異なる場合あり
受講する方法研修実施事業所を各都道府県のホームページなどから調べ、必要書類を準備、郵送などで提出※事業所により必要書類は変動
受講費用無料~5万円程度※都道府県により異なる
受講期間一般的に3か月程度
受講するメリット就職・転職で活用できる給与アップが見込める介護業界で信用を得られる

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介護職員としてキャリアアップしたい人向け資格3選

介護のスキルアップの次は、キャリアアップでもっと活躍したいという人も多いですよね。ここでは介護職員としてキャリアアップしたい人におすすめの資格を3つ紹介します。

1.介護福祉士

2.認定介護福祉士

3.介護支援専門員(ケアマネジャー)

各資格の概要を詳しく解説します。

1.介護福祉士

介護福祉士は、厚生労働省が定める国家資格の1つです。介護のプロである証明となり、全国の介護事業所で資格手当など給与に反映されるなど、就職で有利になるといったメリットがあります。受験資格は、養成施設や福祉系高校を卒業しない場合、「実務者研修の修了」と「実務経験3年以上」が必須条件になります。介護福祉士国家試験の合格率は例年70%前後でしたが、2022年度の第35回介護福祉士国家試験の合格率は過去最高を記録し、84.3%でした。

参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター

このことから国家資格の中では難易度は低いと言えます。

2022年の介護福祉士国家資格合格率は歴代2位の高さ

介護福祉士の概要
内容介護のプロとして全国で通用する国家資格
どんな人におすすめか介護施設の責任者になりたい転職・就職に有利な資格がほしい介護職員として高い給与で働きたい
受験に必要な資格福祉系高校や養成施設の卒業または実務者研修の修了と実務経験3年以上
受験する方法郵送またはホームページから「受験の手引き」を請求し、申し込み期限内に提出書類を提出
受験手数料18,380円
試験内容午前・午後合わせて3時間40分の筆記試験問題はすべて5択の選択問題・125問
取得するメリット給与アップ施設の管理者など責任のある役職につける就職・転職で有利になる

介護業界の人材不足の中、即戦力・資格保有者は取り合いの状態

2.認定介護福祉士

認定介護福祉士とは、介護福祉士の上位資格に位置づけられる資格です。介護福祉士は国家資格ですが、こちらは「一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構」が認証する民間資格です。認定介護福祉士は、介護現場での多様化するニーズに応えられる知識・スキルがあることはもちろん、介護職員のリーダーシップ・マネジメント能力が求められます。また、介護と医療を適切に結びつけ地域包括ケアを推進するなどの役割も期待されます。取得するには、介護福祉士として5年以上の実務歴と、認定介護福祉士養成研修を修了する必要があります。試験はありませんが、修了に最低でも1年以上かかる研修を受け、協会に認定申請・受理してもらう必要があるため、介護関連の資格の中でも取得に時間と労力がかかります。

認定介護福祉士の概要
内容介護福祉士のさらに上位資格
どんな人におすすめかリーダーとして職員の育成に関わりたい転職・就職に有利な資格がほしい地域包括ケアに関心がある
受験に必要な資格・条件介護福祉士として5年以上の実務歴介護職員を対象とした現任研修の100時間以上の研修歴研修実施団体の課すレポート課題または受講試験において一定の水準の成績を修めていること(免除の場合有)その他、研修実施団体により受講要件が変動
受験する方法認定介護福祉士養成研修の受講認定介護福祉士 認定申請書を提出
受講料50万~60万円
試験内容なし
取得するメリット施設の管理者など責任のある役職につける就職・転職で有利になる介護職員として活躍の場が広がる介護業界内で信用を得られる

3.介護支援専門員(ケアマネジャー)

介護支援専門員(ケアマネージャー)は、ケアプランの作成や、介護サービス利用者と事業者との調整などをする専門職であり、民間資格です。介護保険に関する専門的な知識や、利用者と事業者双方とのコミュニケーションなどが求められます。取得するには、介護・医療・福祉関連の国家資格を持ち、実務歴が5年以上あるなどの条件があります。また各都道府県で実施されている「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格し、その後研修を修了することで実際にケアマネとして働けるようになります。合格率が10~20%程と低いことから、しっかりとした試験対策が必要です。

介護支援専門員の概要
内容適切な介護保険サービスを受けられるようにケアプランを作成、利用者と事業者の調整など
どんな人におすすめか介護支援専門員(ケアマネジャー)として働きたい介護保険法について知識を深めたい
受験に必要な資格・条件介護福祉士・社会福祉士・看護師などの保健・医療・福祉系の国家資格をもち、それに基づく業務に従事した期間が5年以上ある生活相談員や支援相談員として、相談援助業務に従事した期間が5年以上ある
受験する方法各都道府県で、直接または郵送で試験案内を受け取り提出書類を用意して期日までに申し込み
受講料8千~1万5千円
試験内容「介護支援分野」と「保健医療福祉サービス分野」より計60問(120分)
取得するメリット介護支援専門員(ケアマネジャー)として働ける就職・転職に生かせる

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介護のスキルアップのための研修に関するよくある質問

Q.そもそも介護に必要なスキルって何?

A.介護職員として必要なスキルは一般的に次が挙げられます。

・身体援助に関する知識とスキル

・生活支援に関する知識とスキル

・福祉用具の正しい使い方

・認知症や障害者支援に関する知識とスキル

・利用者はその家族、職員同士のコミュニケーションスキル

・(管理者などを目指す場合)マネジメントスキル

Q.介護職員としてスキルアップするには何をすればいいですか?

A.介護職員としてスキルアップするには次の方法をとることが多いです。

・勉強会やセミナーに参加する

・研修を受講する

・資格を取得する

自治体や事業所によっては研修や資格取得の助成金を出してくれることもあるので、ぜひ調べて活用しましょう。

Q.介護職員としてスキルアップするのに必要な研修は何?

A.介護職員としての基本を学びたい、短期間で介護職員として活躍したい場合は「介護職員初任者研修」の取得を目指しましょう。将来的に介護福祉士を目指したい場合、「実務者研修」の取得から始めるのもおすすめです。そのほか、認知症介護についてもっと学びたい人はこれらもおすすめです。

認知症介護基礎研修

認知症介護実践者研修

【まとめ】研修・資格で介護のスキルアップを目指そう

この記事では、介護職員としてスキルアップに役立つ研修・資格を解説しました。最後に、記事の中で紹介した研修・資格のおさらいです。

▼介護職員のスキルアップに役立つ研修8選

1.各都道府県の自治体が主催するスキルアップ研修

2.初任者研修

3.実務者研修

4.喀痰吸引等研修

5.福祉用具専門相談員指定講習

6.認知症介護基礎研修

7.認知症介護実践者研修

8.認知症介護実践リーダー研修

▼介護職員としてキャリアアップしたい人向け資格3選

1.介護福祉士

2.認定介護福祉士

3.介護支援専門員(ケアマネジャー)

介護職員は今後さらに人手不足になることが予想されます。だからこそ、研修・資格でスキルアップを図っている職員は事業所から重宝され、待遇もよくなっていくことが期待できます。また、意欲的に介護のスキルアップができれば、介護利用者や職場の仲間にも喜ばれ、仕事そのものがより楽しくなるはずです。ぜひこの記事で紹介した研修・資格を、あなたの介護のスキルアップに生かしてみてください。

この記事を監修した人

ドクターメイト編集部

介護施設に携わる皆様に情報提供でお役に立つために日々情報を収集加工してお伝えしております。

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